事業名 | 不登校生及び山間部の高齢者支援事業 |
実行団体 | 一般社団法人えんがお |
実施時期 | 2022年6月~2023年2月 |
事業対象地域 | 栃木県大田原市 |
事業対象者 | ・不登校の中高生 ・山間部の独居高齢者 ・活動に参加しする学生 ・そのほか、地域サロンにて不登校生を含む様々な世代と関わる高齢者、障がい者 |
事業対象者人数 | 150人 |
団体の目的
ーMissonー
誰もが人とのつながりを感じられる社会
ーVisonー
・高齢者の孤立の予防と解消ができる地域の仕組みを作り、実践していく
・若者の存在を受け入れ成長できる場を共に作る
・人とのつながりの力であらゆる社会課題と向き合う
団体の概要・事業内容等
徒歩2分圏内に6件の空き家を活用し、訪問型の孤立高齢者の生活支援、高齢者や学生、障がい者、子供など年間延べ4000人が日常的に集まる地域サロン、障がい者向けグループホーム、地域食堂、シェアハウスなどを展開。
最近では不登校生の居場所としての活用も増え、学校に行っていない中学生や高校生も毎日通っている。
事業の背景・社会課題
独居高齢者の中には地域とのつながりが希薄な人も多く、内閣府の会話頻度調査では独居高齢者の10%以上が「一週間に一回以下」と回答している。会話の減少は認知症を始め様々な疾患リスクを向上させるため、医療費の増大にも密接に関わる。こういった課題に対し、厚生労働省は近年「高齢者の通いの場づくり」などを推進してきた。
しかし、感染拡大により活動の多くが休止し、高齢者の孤立はさらに深刻化する事態となった。私たちにも「グランドゴルフがなくなり2週間人と会っていない」などの相談が多くある。時事通信社の調査では、緊急事態宣言以降、介護保険の要介護申請が前年同月比で20%以上と急激に増加している。
昨年度は、そういった状況の中で高齢者とのつながりづくりに尽力をした。すると、普段の活動地域ではない同市内の「黒羽地区」という山間部の高齢者の孤立も深刻であるという相談をうけた。黒羽地区は、栃木県の過疎指定地域にも認定されている。集落全体が高齢者という区画も少なくなく、生活で困っても頼る相手がいないため、困ったまま我慢して過ごしている高齢者や、会話頻度の少ない高齢者が多く存在している。コロナ禍により孤立は深まり、身体機能の低下した独居高齢者も増え、より深刻なものとなった。
一方、地域サロンには「不登校生」の相談が急増した。学校に行けなくなった若者が家にこもっているため、日中の居場所を探したい、という保護者・スクールソーシャルワーカー・病院などの問い合わせが、月2-3件ある。大田原市にはフリースクール等もないため、不登校生の日中の居場所の選択肢がなく、母数の増加とともに問題は深刻化した。現在でも、当法人の高齢者向けの地域サロンには、中学生・高校生などの不登校生数名がほぼ毎日通ってきている。
事業の概要
受けた相談をもとに2つの事業を実施する。①山間部(黒羽地区)への高齢者の生活支援出張所の新設②不登校生向けフリースクールの新設である。①は、山間部の高齢者の孤立の深刻化と、生活で困った際に柔軟に対応できる組織の不足により生活支援の依頼が相次いでいるが、範囲外であり対応できないことから、出張所をつくり定期的に対応する。若者との会話の時間も作り、つながりと会話を重視する。②地域サロンの中に新たにスペースを作り、高齢者や障害を抱えた方とも日常的に関われるフリースクールを目指す。面談・保護者会も定期的に行い、保護者へのケアや、専門職が多い法人特性を生かし、障害へのケアも重点的に行っていく。
事業実施後(1年後)以降に目標する状態
①地域包括支援センターなどと連携し、黒羽地区で高齢者世帯20世帯とつながり、高齢者が困りごとを気軽に相談することが出来る。
②大田原市初のフリースクールができ、不登校生の選択肢が増える。また、市内に他のフリースクールができるよう情報公開をし、市内でフリースクールを開設する動きが強まる。当法人では7人の学生と関わり、保護者会なども行い家庭も含めて支援できる体制が出来る。