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【報告】「社会への恩返し」を生かす遺贈寄付・・・でもどうすれば?という講座

9月17日に対面会場(イエローフィッシュ)とオンラインにで「遺贈寄付セミナー栃木の集い」を開催しました。オンライン参加も含め、20名の方にご参加いただきました。「集い」の講師は山北洋二さん(全国レガシーギフト協会共同代表)で、「コロナ禍で対面トークができなかったが久しぶりの対面で楽しい」と話していました。

遺贈寄付の5種類

遺贈寄付とは「遺言による寄付」のことだが、もう少し詳しく言うと次の5つがあります。

「生前」に行うもの

①遺言による寄付:財産の全部又は一部を民間非営利団体等に寄付することを遺言で残す。

②死因贈与契約による寄付:寄付者が民間非営利団体等との間で死亡後に寄付が実行される内容の贈与契約を締結する。

この2つの場合では、寄付者は「死亡した個人」で、生前に契約し死後に寄付されることになります。

③信託による寄付:信託を引き受ける者との契約によって財産の全部又は一部を非営利団体等に寄付することを約する。寄付者は「個人と信託契約した受託者」となる。

 

「死後」に行うもの

④相続財産の寄付:手紙、エンディングノート、言葉などで遺族に相続財産の全部又は一部を寄付することを伝える 寄付者は「相続人」である。

⑤香典返し寄付:遺族が香典のお返しに代えて、故人が支援していた団体に寄付する。寄付者は「遺族」。

遺贈寄付したい人40%、しかし実行する人は0.2%

 遺贈寄付推進の課題として遺贈者、受贈者、仲介者の立場それぞれの課題があると山北さん。

・遺贈者:知識がない、インターネットに馴染みがない、相談相手がない、家族に話したくない・知られたくない、寄付先が判らない、公証人・弁護士は敷居がたかい、信託銀行が近所にない。

・受遺者(NPOなど):ノウハウ・知識・経験不足、担当者がいない、包括遺贈・不動産遺贈のリスクが怖い、組織として遺贈対応の意思決定がされていない、多額の遺贈の使途で団体内でもめることもある。

・仲介者(とちコミなど):実態や現状が判らない、仲介実績がない、遺贈先を探す方法や信用調査、有名団体や大学・自治体なら安心できる、遺言執行報酬の増加にならない。

 上記のような理由で遺贈寄付がなかなか進みません。「遺贈の意向」は40%あるというが実際には0.2%しか遺贈をしていない現状があります。この差をどう埋めるかが課題です。

人生の最期に社会に恩返しをしたいという人はたくさんいますが、その思いを受け取めるにはNPOの側にもそれなりの準備と税務・不動産などの知識とノウハウ、さらに弁護士・司法書士など専門家とのネットワークも必要になります。そういう意味では個々のNPOが単独で準備するよりも「とちぎコミュニティ基金」という枠組みを使ってみんなで栃木の未来づくりをしたほうがいい、と山北さんはおっしゃっていました。

 

また質疑応答では、参加者から「将来、遺贈寄付を検討しているが、遺言書を書くタイミングが分からない」といった質問がありました。それに対して山北さんは「まずは書いてみたらどうですか」とのご回答でした。例えば年に一度書いてみることで、自分の気持ちに向き合ったり、家族の話題に出す機会が得られるとのことです。

遺言は、公正証書遺言でも、自筆証書遺言でもOK。法務省では、自筆証書遺言保管制度によって、遺言を適切に保管することも行っています。いざという時に安心の制度ですね。

とちぎコミュニティ基金では、遺贈寄付のご相談を承っています。まずはお気軽にご相談ください。(やの)

 

*本イベントは、遺贈寄付ウィークの連動イベントとして開催しました。公式サイトではより詳しい情報や資料請求なども行えます。(公式サイトはコチラ>>

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